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CDが売れなくなったのは技術革新のおかげ

1998年には年間4億枚以上生産され、売り上げも約5000億円に達したCDですが、1999年以降は徐々に減少へと転じ、2010年代以降は半分の2億枚を割り込むようになりました。
比例してCDの売り上げ自体も下落していますが、その影には技術革新があります。
音楽産業では1980年代から1990年代初頭にかけて、ソフトの流通形態として主流だったアナログレコードがCDへとバトンタッチしました。
音質の良さや生産性の改善、流通や入手性の問題がクリアになるなど、多くの要因により1990年代に爆発的な売り上げを記録しています。

一方でデジタルデータを効率的に圧縮する技術が開発され、その中心的存在がMP3でした。
MP3は人間の耳では聴くことが難しい周波数帯をカットするとともに、聴覚の限界を利用し本来の音楽データを圧縮することで、データサイズを小さくしたデジタルファイルフォーマットの一つです。

MP3が誕生したのは1990年代中盤ですが、当時のパソコンが搭載するハードディスク容量は数十ギガ程度が限界だったため、MP3が登場すると瞬く間に広まり、時を同じくしてインターネットプロバイダが登場、一般家庭でもインターネット回線の導入が可能になったことで普及が加速しました。
MP3とインターネットという2つの技術革新が同時に日の目を見たことで、徐々にCDが売れない時代へと突入していきます。

ファイル共有ソフトの出現や、音楽ファイルがインターネット上に違法アップロードされるようになったため、音楽業界は合法的にデジタルファイルの購入が可能となるサービスの構築を急ぎ、多くの音楽ダウンロード販売サイトが誕生しました。
2003年にはiTunesストアがアメリカでサービスを開始、日本国内でも2005年から購入が可能となった結果、CDの売り上げが減少する中、それを補うようにダウンロード販売の売り上げ額が伸びることとなりました。

CDはかさばるため、持ち運びが不便というのも売れない原因の一つとなっています。
売り上げ回復のため握手券とのセット販売等、様々なアイデアが考案されていますが、一部のアーティストに限られるなどその効果は限定的です。
一方デジタルファイルの場合は、スマートフォンやオーディオプレイヤーに入れることができ、持ち運びに便利というメリットがありますし、ダウンロード販売であれば24時間購入が可能です。
近年はCDとダウンロード販売の売り上げが共に下落し、定額制の音楽配信サービスが新たな技術革新として台頭するなど、音楽の入手方法は時代とともに変化しています。